責任教師 國定 貴之
高校野球100年という節目の年に悲願であった甲子園出場という結果にたどり着くことができたのは、部員全員が一丸となり日々の努力を重ねてきた結果だと思います。本当にこの夏は苦しい戦いが多く、気の抜けない試合が続きましたが、試合ごとに成長していく選手はたくましく見え、チームとしても力強さが増し、甲子園へとつながっていきました。
甲子園では早実の持ち味である“全員野球”を選手たちがのびのびと実戦し、全国の強豪校との戦いでさらに大きく成長できたと思います。甲子園という場所は選手を大きく成長させてくれる場所であり、高校生の無限の可能性を引き出してくれる素晴らしい舞台であると感じました。
選手たちがここまでのびのびとプレーすることができたのは、早実を応援してくださった皆様と早実応援委員会、吹奏楽部の力が後押ししてくれたからです。ありがとうございました。
全国制覇を成し遂げることはできませんでしたが、その目標に向ってこれからも日々練習に励み、選手の成長を見守って行きたいと思います。
監督 和泉 実
拝啓 100年前の先輩たちへ
今年も高校野球の季節は100年前と同じく暑い夏となりました。今年は先輩たちが全国大会に出場されてから100年という節目の年です。今大会は、先輩たちとその野球への想いに敬意をはらい、今の私たちへの贈り物として残してくれた甲子園に感謝する大会になりました。偉大な先輩たちに感謝の意を報告するために、早実の監督として甲子園大会に出場しなければならないという強い使命感のなか、西東京大会が始まりました。戦いは、大会前から不安視された投手を含めた守りの面で不安定な戦いをしながらも、“全員野球”で試合を重ねるごとに選手たちは精神的にタフになっていく成長を感じました。その象徴的な試合が決勝・東海大菅生戦でした。8回に5点差を逆転するという、先輩たちの力を借りるような奇跡の全員野球の勝利でした。
100年前と同じ白地にストライプ、左胸にBの花文字が描かれたユニホームで第1回大会出場校10校の代表と共に本校代表の菅野が行進した開会式と、満員のスタンドを魅了した王貞治先輩のストライクの始球式は、この大会に出場できた喜びがこみ上げてくる印象的な場面でした。チームは西東京代表の誇りを胸に加藤主将を中心にまとまりを見せ、先輩たちと肩を並べるベスト4まで勝ち上がり、高校生の無限の力に驚かされました。しかし、このような力を育んでくれたのは、100年の間変わらず応援してくださる方々の野球を愛する想いである、と改めて感じました。ありがとうございます。
次の100年に同じように先輩たちに報告できる早実であり続けるために新しいスタートを切ります。またいつかお逢いできることを楽しみに。まずはご報告まで。