修徳高等学校 校長 宮地 五郎 「甲子園」に想う
部員総数95名を擁する我が修徳高等学校硬式野球部は、幸いにも東東京大会で優勝、第95回全国高等学校野球選手権記念大会に出場権を得て、9年ぶり5回目の夏の甲子園出場を果たした。
高校球児の全てが憧れる甲子園球場での1回戦、監督選手全員で最重点に取り組んできた打撃力が爆発し快勝。2回戦の終盤、アルプススタンドでの全校応援生徒、保護者またOBおよび他の本校応援団の、祈りにも似た強い願いも加わり、三塁ランナーの走塁に得意の粘りが乗り移り同点、延長戦にもつれ込んだ。しかし延長10回、残念ながら「サヨナラ負け」を喫し、9年前のベスト8の成績を上回ることなく、本校の暑い夏は終わった。
ギラギラした夏の太陽が容赦なく照り付けた大きな舞台「甲子園球場」この中での選手の一挙手一投足は、応援している生徒たちに、かけがえのない最高の情操教育を提供してくれた。野球部員に限らず、チアリーダー・吹奏楽部員および一般生徒にとって、修徳高校の勝利をただ一筋に願う「一体感」という感激・感動を、暑ければ暑いほど強く味わえる最高の「野球の聖地甲子園」。人間社会は急速に個性化・孤独化している。親子・夫婦・兄弟姉妹および友人間等の「心の絆」が薄くなる傾向にあるが、この「甲子園」は全く別世界である。生徒の長い人生に、絶対に必要な「心の絆」を体験したこと。近い将来再度の挑戦を果たしたいと切に思う。