成立学園高等学校 理事長校長 福田 浩平
夢でしかなかった甲子園出場を果たして、選手・生徒達を含め学校の関係者、卒業生、さらに地域の人たちは喜びに沸き返りました。昨年までは三年連続して東東京大会ベスト4にまでは行くものの、それからの壁を乗り越えることが出来ず、この辺が限界かと誰しもが思っていました。それだけに今回の甲子園出場は望外の喜びでありました。出場が決まって短時間の内に準備を整え、東東京代表としての役割を無事に果たすことが出来たことは、関係者の皆さんのお陰であると心から感謝します。
高校三年間思い切り野球をやりたいという生徒のために、環境をより良く整備すること、野球をよく知った指導者に学校の方針の下に指導してもらうことを続けてきました。その方針とは、まず野球というスポーツを心から楽しむということ、そして、勝ち負けの結果にこだわらず、身体づくりと基本的な技術、戦術をきちんと学んで、次の段階、つまり大学や実業団でさらに力を伸ばせるように指導する、ということです。そして、学校の教育活動の一環として行うのですから、スポーツマンシップの涵養と共に、全力で戦う相手チームに対するリスペクトの精神を忘れないようにということを徹底的に指導することにも重きを置いています。この方針を続けてきた結果、野球部を巣立った多くの卒業生が次の段階で活躍してくれている現状を大変嬉しく思っています。
今回、甲子園出場を果たしたことで、普通の高校生でも努力し、練習を積み重ねれば、夢を実現できるということを実感できました。甲子園は夢ではなく、現実の目標になりました。選手達の毎日の練習が一層充実したものになるでしょう。